腰椎ヘルニア症に中国整体治療

 

腰椎ヘルニア（椎間板ヘルニア）に対する中国整体（推拿）と鍼灸治療は、中国伝統医学（TCM）に基づく代表的な保存療法として、痛みの緩和と機能回復に有効な選択肢です。ただし、**適応症の見極めと専門家による施術が絶対条件**です。

 

## 中国整体（推拿）による治療

 

1.  **目的:**

    *   筋肉の過緊張を緩和し、局所の循環を改善。

    *   椎骨間の圧力を軽減し、神経根への刺激を和らげる。

    *   脊椎のアライメント（配列）を調整し、安定性を高める（矯正的な手技の場合）。

    *   関節の可動域を改善する。

 

2.  **主な手技:**

    *   **揉法（じゅうほう）:** 母指や手掌で筋肉を揉みほぐす（リラクゼーション、血流促進）。

    *   **按法（あんぽう）:** 指や肘でツボや硬結を押圧する（痛みの緩和、緊張解除）。

    *   **げん法（げんぽう）:** 手背や前腕でローリングするように施術（広範囲の筋肉弛緩）。

    *   **牽引法（けんいんほう）:** 下肢や骨盤を引っ張り、椎間腔を広げる（神経圧迫の軽減）。

    *   **斜はん法（しゃはんほう）:** 体を捻る矯正手技（**非常に慎重に！適応症が限られ、急性期は禁忌**）。

    *   **振動法:** 手掌で振動を与える（筋肉のリラクゼーション）。

 

3.  **効果:**

    *   筋肉のこりや張りの軽減。

    *   坐骨神経痛などの関連痛の緩和。

    *   腰部の可動域の改善。

    *   日常動作のしやすさの向上。

 

4.  **重要な注意点:**

    *   **急性期（激痛、強い痺れがある時期）には強い矯正（斜はん法など）は禁忌です！** 症状を悪化させるリスクがあります。

    *   施術者は腰椎ヘルニアの病態を深く理解し、画像所見（MRIなど）を確認した上で、患者の状態に合わせた安全な手技を選択する必要があります。

    *   強い痛みを誘発する手技は行ってはいけません。